【界面科学シリーズ】第5回 初めて学ぶ消泡性・泡持ちの数値化:表面張力ではわからない泡の安定性評価

💡 今回のハイライト
- 泡の2大要素である「泡立ち」と「泡持ち」について知りたい。
- 泡持ちの要因であるラメラ(液膜)の評価方法を知りたい。
- ラメラ長測定と液膜安定性測定の違いを理解したい。
こんにちは!受託測定課です!
これまでの記事で、表面張力・界面張力の基本はバッチリ掴めてきましたか?
実は、表面張力測定ご依頼のお客様からいただくご相談でとても多いのが「泡」に関するお悩みです。
日用品のふわふわな泡や、飲み物の香りを閉じ込める泡。
一方で、塗料やインキの現場では「泡が出て困る!」という声も……。
「表面張力はしっかり管理しているはずなのに、なぜか泡のトラブルが解決しない」
そんな時、ぜひ思い出してほしいのが今回のテーマ「泡持ち」の数値化です。
〈キーワードは「泡立ち」と「泡持ち」〉
界面科学の視点で見ると、泡には2つの指標があります。
- 泡立ち(起泡性):新しい泡ができる力。表面張力が関係する。
- 泡持ち(安定性):一度できた泡が耐える力。液膜の粘り強さ(ラメラ長)や保持時間が関係する。
いくら表面張力の数値だけを追っても、この2つのバランスが崩れていると、現場の泡トラブルは解決しません。
〈泡持ちを調べる「二つの武器」〉
表面張力の値が全く同じサンプルでも、液膜の安定性を測ってみると
「すぐに弾ける泡」か「いつまでも残る粘り強い泡」かがハッキリ数値に現れます。
今回は当社の表面張力計DYシリーズで測定可能な2種類の測定方法を紹介します。
1. ラメラ長測定(膜の強さを測る)
液膜がどれだけ長く伸びるかを測定し、泡の安定性の指標とする方法です。
常に新しい表面が作られる時の粘り強さを見ているため、
界面活性剤の吸着スピードなどが関わっていると考えられています。
- 測定項目: 膜が破断するまでの「長さ」
- メリット: 表面張力測定(du Noüy法)と同時に測定可能。

2. 液膜安定性測定(泡の寿命を測る) ★当社特許技術
ラメラ長測定では差が出にくい場合のために考案された、簡易的な液膜持続性評価法です。
膜から液が抜けていく挙動(排液挙動)など、泡の「寿命」に近い性質を捉えます。
- 測定項目: 膜が形成されてから「破断するまでの時間」
- メリット: 粘性の高い試料の特徴をとらえるのが得意。

〈まとめ〉
「表面張力値はコントロールできているのに、なぜか現象と一致しない……」 そんな時は、
ぜひ一歩踏み込んで「ラメラ長」や「液膜安定性」を測定してみるのはいかがでしょうか?
泡の評価方法は他にも多くありますが、すべての測定で相関のある結果が得られるとは限りません。
どのような場面で泡をコントロールしたいのか、どのような性質を評価したいのかを明確にし、
その時々に合わせた最適な測定手法を選んでいくことが大切です。
「うちのサンプルにはどの測定が合うんだろう?」と迷われた際は、ぜひお気軽に当社へご相談くださいね!
ここまでご覧いただきありがとうございました!
次回は、界面科学シリーズ第6回として「接触角」を紹介します。
皆さまの業務や研究に少しでも役立つヒントになれば幸いです。どうぞお楽しみに!





