【界面科学シリーズ】第6回 初めて学ぶ接触角

💡 今回 のハイライト
- ぬれ性とは何か、身近な例でイメージできるようになりたい。
- 接触角の基礎知識を身につけたい。
- 表面張力と接触角の使い分けを理解したい。
こんにちは! 受託測定課 です!
これまでの記事では、表面張力に関する情報についてご紹介しました。
今回からは当社のメイン装置でもある「接触角」のお話になります!
身近な現象に絡めた基礎的な内容ですので、ぜひ最後までご覧ください!
<ぬれ性ってなに?>
私たちの身の回りでは、固体と液体が触れ合う場面がたくさんあります。
このときの 液体が固体表面でどれくらいぬれ広がるか という性質を
ぬれ性 といいます。
製品開発や品質管理の現場では、
ぬれ性を 定量的 に評価する方法 が求められてきました。
その中で、最もよく使われている指標の一つが接触角です。

<接触角ってなに?>
接触角を一言で表すと、 固体表面とその表面の液滴がつくる 角度 のことです。
例えば、机の上に水をこぼしたとき、水が丸まって机の表面にとどまります。
この水滴を横から見ると、机に触れている部分で角度ができているのが分かります。
この角度が(静的)接触角です。
接触角は、表面処理やコーティングなどの目に見えない表面状態 (nmオーダー) の変化にも敏感に反応します。
そのため、ぬれ性評価の「最初の一歩」として広く使われています。
→ 評価事例 『 超薄膜領域における膜厚と接触角の関係 』
<接触角が「高い」「低い」で何がわかる?>
接触角の値を見ることで、液体と固体の関係が直感的にわかります。
一般的には90°を境に、90°未満を「接触角が低い状態」、90°以上を「接触角が高い状態」として扱います。
それぞれの特徴を表にまとめてみました!
| 接触角(θ) | ぬれ性 | 液滴 | 水・油 | 用途例 |
| 低い |
良い | 広がる | 親水・親油 | インクや塗料を用いたコーティング |
高い![]() |
悪い | 丸まる | 撥水・撥油 | 窓ガラスへの雨水の付着抑制や水跡対策 |
※ 接触角が高くても、液が簡単に落ちるとは限りません。液の除去しやすさは、次回の「滑落角」で紹介します。
<接触角と表面張力の関係>
「ぬれ」という現象を考えると、表面張力を思い浮かべる方も多いと思います。
見ているポイントという観点から整理してみましょう。
例えば、こんな経験はありませんか?
液体の表面張力が低いからぬれやすいはずなのに、固体表面に垂らしてみると意外と広がらないこと。
これは、「ぬれ」を考えるときの視点が、表面張力と接触角で異なることが関係します。
「表面張力」は、液体がなるべく表面積を小さくしようとする力で、液体自体の性質を表します。
一方、「接触角」は、固体表面と液体表面の相互作用、いわば両者の“相性”を表す指標になります。
そのため、表面張力が低く、一見ぬれやすい液体であっても、固体との相性が悪い場合には接触角が高くなり、
ぬれにくいことがあるのです。
このように、液体を見る評価が 表面張力、固体との相性を見る評価が 接触角 と考えると分かりやすいでしょう。
<まとめ>
ここまでご覧いただきありがとうございました。
新年度を迎え、環境が変わった方も多い時期かと思います。
この記事が、身の回りの「ぬれ」や「接触角」に少しでも興味を持つきっかけになれば幸いです。
次回は、界面科学シリーズ第7回として「滑落角」を紹介します。
私たちと一緒に界面科学を楽しんでくださるとうれしいです。どうぞお楽しみに!






