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表面張力・界面張力とは

表面張力・界面張力とは、分子間力によって液体表面や物質界面をできるだけ小さく保とうとする力です。ぬれ性や乳化、分散、接着など多くの界面現象に関わる重要な物性値であり、材料開発や品質管理で広く利用されています。代表的な測定法にはWilhelmy法、du Noüy法、懸滴法などがあります。

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表面張力・界面張力とは

表面張力とは、物質の表面積をできるだけ小さくしようとして分子同士が引き合う力のことです。これはありとあらゆる境界面に存在する力であり、物体が空気と接する境界面においては「表面張力」、それ以外の固体-固体間・固体-液体間、液体-液体間などの境界面においては「界面張力」と呼ばれます。

表面張力・界面張力が小さいということは、液体が丸くまとまろうとする力が弱く、表面積を増大させやすいということを意味します。そのため、同じ固体に対して液体をぬらしたとき、表面張力が低い方がよりぬれ広がりやすい傾向があります。エマルション乳化においても、界面張力が小さい液体同士ほど微小な液滴として分散させやすく、安定性も高まることが多いです。

また、国際宇宙ステーションなどの中継で、液体が丸くシャボン玉のように浮かんでいる様子を見たことがあるでしょうか。これは表面張力のはたらきによって起こる現象です。表面積が最小になる立体構造は球であるため、宇宙空間のように重力などの外力が無視できる場合、分子が比較的自由に動き容易に形を変えることができるものは、すべて球形にまとまります。

分子間力との関係

表面張力は分子間力に由来した力です。

液面近くを分子レベルまでクローズアップして考えてみます。
図のように、バルク(液内部)に存在する分子は周囲と互いに引き合う分子間力が全方位で打ち消し合っており、安定した状態にあります。一方、表面に存在する分子はバルク側だけでなく空気中の分子とも引き合いますが、空気中に対して液中の分子密度の方が圧倒的に大きいため、常に内部へ引き込まれる力を受けています。これが表面を縮めるような張力となり、表面張力が生まれます。

表面およびバルクの分子に働く分子間力のイメージ
図1 液体表面の分子に分子間力がはたらくイメージ

一般的な評価手法

液体の表面張力測定にはいくつかの代表的な測定手法があります。それぞれ、液体の物性や用途に応じて使い分けられています。
測定手法 方法 メリット デメリット
Wilhelmy法 液面に触れさせたプレートが引っ張られる力を計測 現在最も広く使われている
JIS規格に準拠
経時変化測定が可能
高粘度液体や界面張力測定は不得意
du Noüy法 液面に触れさせたリングが引っ張られる力の最大値を計測 古典的
JIS規格に準拠
ラメラ長も取得可能
補正計算が必要
経時変化測定ができない
懸滴法 細管からぶら下げた液滴のしずく形状の輪郭から解析 ISO規格に準拠
高粘度液体も測定しやすい
必要試料量が少ない
精度が画像解析に依存
物性や環境によりばらつくことも
毛管上昇法 毛細管を液面に浸け、液体が管内を上昇した高さを計測 実験系が簡便
理論が明快
毛細管の徹底的な洗浄管理が必要
スピニングドロップ法 毛細管中に液体を入れ、高速回転時の液滴形状を解析 10-5オーダーの超低界面張力を測定可能 装置が比較的大掛かり
汎用性が低い
滴重法 毛細管から落下させた液滴の重量を計測 実験系が簡便
必要試料量が少ない
精度が比較的悪い
補正係数への依存度が高い
経時変化測定ができない

当社で可能な測定

当社では以下の装置群で液体の表面張力を測定することができます。
装置名 装置型式 測定手法
表面張力計 「DyneMaster」シリーズ Wilhelmy法、du Noüy法
接触角計 「DropMaster」シリーズ 懸滴法
【Wilhelmy法(プレート法、垂直板法)】

プレート状の測定子が液体の表面に触れると、液体が測定子に対してぬれ上がります。このとき、プレートの周囲に沿って表面張力がはたらき、プレートを液中に引き込もうとします。この引き込む力を測定し、以下の式により表面張力を算出します。
通常、プレートと液体の接触角は0°とみなしますが、プレートに対するぬれが悪い液体の場合、表面張力が正しく測れないこともあります。

Wilhelmy法計算式
Wilhelmy法での表面張力測定イメージ
図2 Wilhelmy法での表面張力測定イメージ
【du Noüy法(リング法、輪環法)】

リング状の測定子を液中に沈めた後、鉛直方向に徐々に引き離していきます。このとき、リングと液面との間に形成される「液体膜」がリングを引き下げる力のピーク値を測定し、以下の式により表面張力を算出します。
du Noüy法はWilhelmy法よりも早く普及した古典的な測定手法で、表面張力値の他に「ラメラ長」を測定できるのが特徴です。一方、引き離し法のため、界面活性剤溶液のように表面張力が経時的に変化する試料の測定には向きません。

du Noüy法計算式
du Noüy法での表面張力測定イメージ
図3 du Noüy法での表面張力測定イメージ
【懸滴法(ペンダント・ドロップ法、Pendant Drop Method)】

鉛直方向に向けた細管の先端から液体を押し出すと、細管の先端にしずく形状の液滴(懸滴、ペンダント・ドロップ)がぶら下がります。懸滴の輪郭形状は液体の密度や表面張力・界面張力に依存するため、懸滴をYoung-Laplace理論曲線のフィッティングによって画像解析することで表面張力・界面張力を求められます。
特に、高粘度液体や溶融ポリマー、液体間の界面張力測定に適した測定手法です。

空気中での液滴 油中での水滴 水中での油滴
空気中での懸滴法 油中水滴の懸滴法 水中油滴の懸滴法
図4 懸滴法での表面張力測定イメージ

界面活性剤と表面張力

水中に界面活性剤が存在すると、水分子の間に界面活性剤分子が入り込むことで水分子同士の結びつきを弱めます。その結果、表面張力が低下します。

界面活性剤濃度が極めて低い場合、界面活性剤分子は疎水基を空気側に向けて液面に吸着します。ここから濃度を高めていくと、界面活性剤分子が液面を隙間なく覆い、やがて飽和します。そうして液面に吸着できなくなった分子は、液中(バルク)で疎水基を内側に、親水基を外側に向けた集合体(ミセル)を形成し始めます。このミセル形成が始まる濃度が「CMC(臨界ミセル濃度、Critical Micelle Concentration)」です。

一般に界面活性剤は、濃度が高まるほど表面張力を下げる効果がありますが、溶液がCMCに達すると表面張力は低下しなくなり、以降はほぼ一定の値を示すようになります。CMCを把握することで、界面活性剤が十分に機能するために必要な最適添加量を見極めることができます。

当社の表面張力計「DyneMaster」シリーズでは、Wilhelmy法による表面張力測定と界面活性剤溶液の分注を交互に自動で繰り返すモードによってCMCを自動で測定することができます。

界面活性剤の吸着挙動とCMC
図5 液中の界面活性剤分子の挙動イメージと表面張力の濃度依存性グラフ

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