1. TOP
  2. メディア
  3. 「自分たちの測定値は、本当に正しいのか」——トヨタ車体が専門家に測定を依頼した理由

メディア

「自分たちの測定値は、本当に正しいのか」——トヨタ車体が専門家に測定を依頼した理由

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「自分たちの測定値は、本当に正しいのか」——トヨタ車体が専門家に測定を依頼した理由

お客様情報

トヨタ車体株式会社(https://www.toyota-body.co.jp/)
事業内容:自動車の企画・開発・生産
車両実験部 古居 様・橋詰 様・石井 様

アルファード、ノア、ハイエース、ランドクルーザー——トヨタグループの完成車両メーカーとして、これらの車種を企画から生産まで手がけるトヨタ車体株式会社。車両実験部で寒冷地での使用環境を担当する古居様は、ある冬の現象を「数値で押さえたい」と考えていた。

社内には簡易試験の装置も、それなりの経験もある。それでも古居様が外部の受託測定サービスを探し、協和界面科学株式会社に依頼したのはなぜか。そして、その選択は何をもたらしたのか。

融雪水が、ドアを開かなくする

――― 今回の測定が必要になった背景を教えてください。

古居様: 冬場は晴れと雪の気象によって、車のルーフに積もった雪が解けます。この融雪水がゆっくりと車体の上から下へ流れる途中で、気温が再び下がって凍結してしまうことがあります。そうなると、場合によってはドアが開かなくなったり、アルファードやノアのような電動スライドドアに装備されている格納式ステップが動かなくなったりと、お客様の使い勝手に悪影響が出てしまいます。そうした事態が起きないよう、現象をより精度よく把握して開発に生かすことが、私たちの仕事です。

こうした現象はこれまでも経験的には把握していたのですが、実際に融雪水がどこでどのように流れ、どこで凍結リスクが高まるかを、できるだけ開発の早い段階で詳しく知りたいと考えていました。素材によっても流れ方が変わりますし、部品の形状によっても変わってくるので、事前に予測することが非常に難しい現象でもあります。

そこで水の滑り落ち方を実験で確認して、数値として整理することで、より確かな評価につなげたいと考えて、今回の測定を検討し始めました。

社内でできる。でも「妥当かどうか」は分からなかった

車両実験の様子
車両実験の様子(出典:トヨタ車体ホームページより)

――― 社内でも簡易試験をされていたとのことですが、それでも外部に依頼しようと考えたのはなぜですか。

古居様: 社内でも事前に何が必要か、どういった条件が必要かが具体的になっていて、ある程度の簡易試験は以前から行っていました。ただ、私どもは協和界面科学さんのように界面のプロではありませんので、果たして自分たちが出した数値が本当に妥当なものなのかというところを確かめたいという思いがきっかけです。そのため、確かな設備と測定方法でプロに検証してもらえる、専門家による測定サービスを最初から探していました。

実績、社内評価、そして対話——専門家を選ぶまで

――― 協和界面科学を選んだ経緯を教えてください。

古居様: ホームページを見ると、食品会社、石鹸の会社、自動車業界、建築業界など、いろんな業界で使われているということが感じられて。国内の実績やシェアも調べてみると、数多くの実績や幅広い業界のニーズに応えていただけそうだと判断しました。社内の材料技術部にも聞いてみると、実際に協和さんの測定器具を使っているという声もあって。問い合わせてお話を伺ってみると、技術的な説明内容や丁寧な対応から安心して依頼できると判断しました。

「現地現物」で、ショールームへ

――― 実際に新座のショールームへ足を運ばれたとのことですね。有料での見学でしたが、それでも行こうと思った理由は?

古居様: 現地での確認を重視しました。界面のプロの仕事が見たかったというのが正直なところです。弊社が大切にしているのが「現地現物」という、実際に目の前に行って触れて、そこで納得して進めていくという文化です。そのため、直接お話を伺いながら装置や測定の様子を拝見することで、納得をした上で依頼できると考えました。

協和界面科学のショールーム(新座本社)
協和界面科学のショールーム(新座本社)

実際に測定現場を拝見して、私たちが一番驚いたのがスタッフの方々の知識の深さと、数値化へのこだわりです。滴下してから動き出す瞬間を捉える技術や、測定環境の管理など、私たちが社内で行っていたものとはレベルが違いました。ここなら私たちの課題に真摯に向き合ってくれると、改めて確信しましたね。

自分たちの検討が「間違っていない」という自信に

――― 測定の結果はいかがでしたか。

古居様: 今回の測定により、自分たちがこれまで積み上げてきた簡易的な計測結果と、協和界面科学さんの精密な測定結果が概ね合致していることが確認できました。これは非常に大きな成果です。プロの視点から「その方向性で間違っていない」という裏付けをいただいたことで、今後の開発ステップを自信を持って進めることができるようになりました。目に見えにくい現象を分かりやすく数値に置き換え、見える形にしていただけたことが非常に印象的でした。

――― 測定結果のレポートだけでなく、その後の対話も重要だったそうですね。

橋詰様: 測定をご担当いただいた方との技術ディスカッションも、私たちにとって非常に有意義な体験でした。ただ数値を見るだけではなく、「なぜこのような挙動になるのか」を界面科学の専門的な視点で解説していただけたことで、私たちの知見もさらに広がりました。一度の結果で終わるのではなく、そこからさらに「ではこういう条件ならどうか」といった新たな問いが生まれ、追加での測定をお願いするなど、柔軟に対応いただけた点も大変助かりました。単なる「外注先」ではなく、共に課題を解決する「パートナー」として関わっていただけたと感じています。

より過酷な環境を想定した、次なる挑戦へ

古居様、橋詰様、石井様

――― 今後の展望について教えてください。

古居様: 今後は、低温環境下での水滴の挙動だけでなく、例えばシャーベット状の雪であったり、もっと複雑な混相状態での測定など、より実際の環境に即した過酷な条件での検討にも挑戦していきたいと考えています。今回の取り組みで得られた界面に対する知見を生かし、お客様にさらなる安心と安全をお届けできるよう、研究開発を加速させていくつもりです。協和界面科学さんには、今後もその専門性を生かしたアドバイスやサポートを期待しています。


【今回の測定に使用した装置・手法】

  • - 全自動接触角計:液滴の滑落挙動および動的滑落角の測定
  • - 受託測定サービス:専門スタッフによるデータ解析および技術ディスカッション
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
オンライン商談始めました!
最新情報をお届けしています!

大好評の人気セミナーの開催先行案内や、技術情報などの新着情報をお届け!