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人類が宇宙で生活する時代を見据えた基礎研究に貢献

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人類が宇宙で生活する時代を見据えた基礎研究に貢献

山下裕司 准教授

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山下裕司 准教授(千葉科学大学 薬学部 生命薬科学科)

山下先生は、界面化学やコロイド化学を専門分野に、化粧品に含まれる化合物の乳化に関する基礎研究や、溶液物性と皮膚生理などの研究に携わっています。

山下先生の研究テーマは国内外から高い評価を得ており、2013年に発表した「界面活性剤の特性を表す新規指標の構築」は材料技術研究協会討論会でゴールドポスター賞を、また2015年の「エマルション崩壊プロセスの研究:疑似微小重力場を利用した新規評価法の構築」は日本油化学会の第54回年会ポスター賞を受賞、The Cosmetic Victories 2020(フランスCosmetic Valley主催)のファイナリストに選出などされています。(The Cosmetic Victories 最終選考の様子はこちら

後者の研究においては、国際共同プロジェクト「EDDIプロジェクト」が進行中で、山下先生は日本チームのプロジェクトリーダーとして活躍されています。

※EDDIプロジェクト
微小重力環境下で界面活性剤や泡、エマルションの物性・挙動について研究し解明することを目的とし、2018年にESA(欧州宇宙機構)にて承諾された国際プロジェクト。
ヨーロッパ、アメリカ、日本などの界面科学研究者のチームが参加している。

国際共同プロジェクトが進行中

協和/亀井社長:山下先生の研究分野について、ご紹介をお願いいたします。

山下先生:千葉科学大学の化粧品科学研究室で、乳化に関する基礎研究や乳化剤(界面活性物質)の機能評価などについて、学生たちと一緒に取り組んでいます。

主に化粧品メーカーや原料メーカーでは対応できない基礎研究が中心ですが、原料メーカーから新しい有効成分の界面物性についての評価を依頼されることもあります。こうした評価の際に、協和界面科学の表面張力計を活用しています。

協和/亀井社長:山下先生は、「EDDIプロジェクト」という国際共同研究で、日本チームのプロジェクトリーダーを務めています。

山下先生:はい。このプロジェクトは「微重力環境下におけるエマルションの観察」をテーマにした研究です。たとえば、水と油は重力のある地球では界面活性剤などがなければ乳化しませんが、無重力の宇宙空間だと乳化します。では、無重力空間ならいつまでも分離しないのかなど、エマルションの物性や挙動については謎も多いのです。その謎を解明したいというのが、この研究の目的です

こうした研究で得られた基礎データは、いずれ人類が宇宙で生活する時代が到来したときに、大いに役立つと考えています。私は2013年から研究を始め、その後、協和界面科学のほかJAXA(宇宙航空研究開発機構)にも協力してもらい、さらに2018年にはESA(欧州宇宙機関)に国際共同プロジェクトとして承認されてからは、ヨーロッパを中心とする大学や研究機関とも一緒に進めています。

協和/亀井社長:このような微重力環境下でエマルションを観察する実験というのは、これまでに実施された例はあるのでしょうか?

山下先生:一度だけ実施しています。ただ、宇宙で実験するにはコストと時間がかかります。
そこで私たちの共同研究では、地上で微小重力を疑似的につくれる卓上型の装置を使い、エマルションのメカニズムを解明したり、私たちの専門分野である化粧品科学にも応用できそうな知見を得たりすることも目指しています。

研究テーマのいちばんの理解者が協和界面科学だった

亀井・千葉
山下先生

協和/亀井社長:そもそも、このプロジェクトを始めたきっかけは何だったのですか。

山下先生:東京理科大学から、JAXAとのプロジェクトについて話をいただいたのが最初です。ただ、当初はそれほど本格的に研究するつもりはなかったんですよ。そもそも、研究に必要な表面張力計などの設備を当研究室で持っていなかったですし、テーマとして成り立つのかという疑問もありました。
ただ、研究を進めていくと予想と違った結果が出るなど、面白いことに気付いたんです。実験データを見て「もっと本格的にやれば、いまの研究にも応用できるかもしれない」と感じ始め、いつの間にか没頭していましたね。これまで誰もやっていないテーマですし、研究者として魅了されるものがあったのです。

協和/亀井社長:本格的に研究を進めていくなかで、当社にお声がけいただいたきっかけは何だったのでしょうか。

山下先生:この研究を進めるうえで、小型カメラを搭載した光学顕微鏡が必要でした。ただ、市販品に条件を満たす製品がなく、レンズメーカーやカメラメーカーに特注品がつくれないかと依頼したのですが、私たちのためだけに1台だけ作成することは難しいと断られたのです。

ならば、協和界面科学ならできるんじゃないかと。界面化学分野では有名な会社ですし、もしかしたら私たちの研究内容に理解を示していただけるのではないかという期待をこめて、相談させていただきました。

案の定と言いますか、私たちの研究テーマに興味を示していただき意気投合。それから、光学顕微鏡の開発だけでなく、表面張力計などの研究に必要な設備についてもご協力いただいています。協和界面科学には、研究の初期からご尽力いただき、本当に感謝しています。

協和/亀井社長:弊社からは、小型カメラや顕微鏡など観察する部分を提供させて頂いていますが、開発メンバーからは「非常に難しいオーダー」と聞いています。実際どんな苦労がありましたか?

協和/千葉:初めてプロジェクトの打合せに参加させて頂いた際、山下先生はじめJAXAや東京理科大学などの先生方からの要望を聞いていく度に、難易度が非常に高く「まいったなぁ」と感じたのを覚えています。例えば顕微鏡で観察するためにはカメラ、レンズ、光源が必要になるのですが、その光源から出る熱の影響でエマルションが移動してしまわないよう、熱源になるものを極力エマルションから離す必要がありました。他にもいくつもの課題があり、狭いスペースの中でパズルのように試行錯誤しながら、できる範囲で一つずつ解決に近づけていった感じです。

まだ観察が満足にいくようなものになっていませんが、初めて見たいエマルションが見えたときは、山下先生が喜んでくれて非常に嬉しかったですね。

協和/亀井社長:夢のあるプロジェクトですから、当社としても一緒に研究を進めたいという想いがありました。将来の人類に貢献したいという気持ちは山下先生と同じだと思っていますので、プロジェクトの研究を支えながら、一緒に成長していきたいと思っています。

わかりやすい操作性が学生に評判

協和/亀井社長:ところで、山下先生の研究室では当社の表面張力計「DY-300」を導入いただきました。ご活用になっていかがでしょうか。

山下先生:主に学生の実習において使用していますが、わかりやすい操作性が学生に好評ですね。設定方法や操作上の不明点も丁寧に説明されるので、みんな重宝しています。説明文も、海外メーカーの測定器だと英語ですが、協和界面科学の測定器は日本語ですから本当にわかりやすいです。

協和/亀井社長:こうした装置を選ぶ際、どのような点を重視されていますか。

山下先生:アフターサービスですね。売って終わりのメーカーより、導入後もいろいろサポートしてくれるメーカーのほうが安心して使用できます。
その点でも、協和界面科学はメールなどで相談したときのレスポンスが早い。新しい装置を導入するときも、納入期限を守ってくれますし、その後の実験計画を立てやすいという点でも助かっています。

協和/亀井社長:ありがとうございます。その他、当社に対するご要望などありますでしょうか。

山下先生:新しい評価法の情報をいただけることも、研究者としてありがたいことだと感じています。最近も、ビールの泡の安定性を測る液膜安定性評価のソフトウェアなど、新しい評価法を案内していただきましたが、研究者としては「これを応用して何かできないか」と、いろいろ考えを巡らせるんですよ。こういった評価法や新製品の情報なども定期的にいただけるので、ありがたい限りです。

協和/亀井社長:EDDIプロジェクトも、進めていきたいですね。

山下先生:まだ研究がスタートしたばかりなので世間から大きな注目を集めていませんが、これからも基礎研究を積み重ねていき、さまざまなところから注目されるよう成長させていきたいと考えています。
協和界面科学には、これからも互いにアイデアを出したり情報を共有したりしながら、良いお付き合いができればと願っています。

協和/亀井社長:私たちも山下先生と一緒に、いろいろチャレンジしていきたいと考えています。本日はありがとうございました。

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