接触角計へのご質問
当社に寄せられる質問と回答をまとめました。
- 一般的なご質問
- 接触角計へのご質問
- 表面張力計へのご質問
- 摩擦計へのご質問
Q.接触角の角度は、一般的に何度以下が「ぬれやすい」というのでしょうか?
Q.国内で使用中の装置を海外に移設する場合、外国為替及び海外貿易法に基づく輸出許可申請が必要でしょうか?
Q.画像を正常に認識しているのに,測定値がばらばらなのはなぜでしょうか?
Q.液滴を出す針の根本に付いている数字は、何を表しているのですか
Q.イメージモニタに表示される液量と実際の液量が違うのですが。
Q.着適時、静電気の影響がある時と無い時で接触角の値に差が出ますか?
Q
接触角の測定時、どのくらいの液量が適当なのですか?
A
液量は大きすぎると、自重で潰れて誤差要因となりますし、小さすぎると蒸発・揮発の影響が大きくなります。通常は、液量は1μL~2μLで測定しますが、液体と固体の組合せによっては,液量依存性が大きい場合もありますので、事前に液量依存性を評価しておくことも必要です。また、実際の現象に近い状況を再現するという観点から液量を検討することも有効でしょう。
Q
液量はJIS等で決まっているのですか?
A
例えば、JIS R 3257(1999)「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」によれば,「1μL以上,4μL以下」と規定されています。これはあくまで基板ガラスの話で、実際には、測定する試料や目的、状況により液量を決めます。液量は大きすぎると自重で潰れて誤差要因となりますし、小さすぎると蒸発・揮発の影響が大きくなります。通常液量は1μLや2μLで測定しますが、実際の現象に近い状況を再現するという観点から液量を検討することも有効でしょう。
Q
接触角の「標準液」はあるのですか?
A
ぬれ性評価として典型的なのは、水に対する接触角ですので、蒸留水を標準液と扱っても良いでしょう。ただし接触角は、液体と固体との組合せによって決まるため、「ある特定の標準液に対する接触角」というものが必ずしも意味をもつとは限りません。
Q
接触角の角度は、一般的に何度以下が「ぬれやすい」というのでしょうか?
A
一般論として、明確な定義はありません。目安として10°以下は非常にぬれやすいと言ってよいでしょう。液体が水の場合は、「親水」、「撥水(はっ水)」という言い方をしますが、これも材質に対する要求性能により、何°をその境目にするかは異なります。
Q
国内で使用中の装置を海外に移設する場合、外国為替及び海外貿易法に基づく輸出許可申請が必要でしょうか?
A
当社装置は、輸出貿易管理令別表第一の1~15項及び別表第二の対象貨物には該当しておりません。非該当判定書の発行も可能ですので、国内営業課までご依頼ください。
Q
針の先に液が残ってしまうのはなぜですか?
A
針の材質と液体試料との組合せによっては、付着力が大きく、液が針にまとわりついてしまうためです。一般的に有機溶剤系は金属製の針に対してぬれやすいので、テフロンコーティングを施した針を使うと、これが改善されることがあります。
Q
液量により接触角はどのくらい影響を受けるのですか?
A
液量による接触角の変化は、液体と固体との組合せによっても変わります。例えば、水/ステンレス系では下のグラフのとおりです。(あくまで、このときの測定環境によるステンレスと水による測定なので、必ずしも同じ試料で同じ依存性になるとは限りません。)
極小領域における液量域(数十pL〜数百pL)での接触角は蒸発・揮発の影響も大きく、µLオーダーの液量域での接触角とは大きく異なる場合があるので注意が必要です。
Q
画像を正常に認識しているのに,測定値がばらばらなのはなぜでしょうか?
A
画像を正常に認識しているのであれば、装置性能としてはばらつき±1°以下です(当社、標準サンプル実測)。
これ以上に測定結果がばらつくのであれば、固体試料の表面状態のばらつきや、目視できない凹凸、静電気など、表面特性そのものが均一でない、または変化していることが考えられます。なお、実際のサンプルでは、測定値がばらつかないというケースはほとんどありません。
Q
接触角計の自動と全自動は何がちがうのですか?
A
協和界面科学の接触角計ラインナップは自動、全自動のようにいくつかのグレードに分かれています。
まず、接触角測定における接触角値算出までの手順は概ね以下のようになります。
①液量制御・吐出 → ②固体試料への着滴 → ③接触角解析 → ④測定面移動 → ⑤データ処理
通常、1試料あたりの測定では測定ポイントごとのばらつきを見るため、数回の繰り返し測定を行います。そのため①〜④の動作を測定者が任意の回数繰り返し、最後に⑤で標準偏差、平均値を算出するというものです。
したがって、この5つの手順の中で接触角の解析を自動で行うか、すべてを自動で行うかで自動、全自動が区別されます。
手動タイプでは全てマニュアル操作となるため、測定データに個人誤差が生じやすくなります。
自動タイプでは接触角解析を画像処理で行うため、解析における人的誤差は解消できます。
全自動タイプでは液量制御、着滴操作に測定者の操作が介入しませんので人的誤差は全て排除できます。
Q
液滴を出す針の根本に付いている数字は、何を表しているのですか??
A
この数字は、針の外径寸法、内径寸法を意味しています。単位は「ゲージ」で、「G」と略します。各ゲージ数と内径、外径の関係は以下のとおりです。
ゲージ数 | 内径(mm) | 外径(mm) |
32G | 0.12 | 0.28 |
---|---|---|
28G | 0.18 | 0.38 |
22G | 0.47 | 0.71 |
18G | 0.95 | 1.24 |
15G | 1.30 | 1.80 |
12G | 2.24 | 2.80 |
Q
イメージモニタに表示される液量と実際の液量が違うのですが
A
CA/PDコントローラウィンドウで指定している視野と装置の視野が相違している場合があります。視野を合わせることで解決します。
Q
着適時、静電気の影響がある時と無い時で接触角の値に差が出ますか?
A
出ます。静電気を除去する除電器(イオナイザー)を使用し表面の状態を整えてから測定してください。
Q
注射筒(シリンジ)に残った液は次の日にも使用しても良いのでしょうか。
A
程度問題ですが、汚染や変質の可能性もあるので、日ごとに交換するのに越したことはありません。水(コンタミの影響を受けやすい)や、通常の雰囲気下でも劣化するジヨードメタンなどは、毎日新しいものに交換した方が良いでしょう。
Q
注射筒(シリンジ)の洗浄方法は?
A
有機溶剤や界面活性剤系の洗浄液等で、超音波洗浄することをお勧めします。また、これも程度問題ではありますが、水性試料と油性試料とでは注射筒(シリンジ)を分け、洗浄時も分別して処理するのがよいでしょう。