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顧客へ不利益を生じさせない製品開発を支える接触角計の存在

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顧客へ不利益を生じさせない製品開発を支える接触角計の存在

協和界面科学 亀井 潮 (左)・協和界面科学 星埜(中)・倉本産業 渡部 翔様(左)

お客様情報

倉本産業様
クオリティの高さが求められる粘着シートやラベルといった粘着製品をはじめ、耐熱防護服、交通安全にかかわる施設や製品を製造するメーカーです。
このうち、粘着製品の開発や改良、評価分析などにおいて、当社の接触角計をご利用いただいています。この接触角計は、昭和63年(1988年)に当社が納入したもので、30年以上経った現在でも現役で活用されているそうです。
実際に活用されている技術部の渡部 翔様に、具体的な用途や評価方法などを伺いました。

品質重視のラベルやステッカーを提供

渡部様

協和/亀井専務:貴社の業務内容について、ご紹介をお願いいたします。

渡部さま:当社は、ラベルやステッカーなどの粘着製品を、糊の開発から基材への塗布、印刷や整形といった加工まで一貫した生産体制で行う会社です。

ラベルやステッカーといっても市販品は少なく、例えば二輪車や自動車、船舶といったメーカーが主なクライアントで、過酷な条件下で使用する場合でも美しい状態を保つ耐候性に優れた印刷用粘着製品を専門に扱っています。
性能を重視するクライアントが多く、お客様のご要望を受けて一点物の商品を開発・製造することがメイン事業になります。

協和/亀井専務:渡部さまは製品開発の部門で、今までなかった粘着製品の開発にも携わっていますよね。

渡部さま:はい。私自身は現在、プリンターラベルをメインに、電子部材で活用される粘着製品の開発に携わっています。主な業務は、汎用品で対応できないような粘着製品を新規開発したり、既存製品を改良したりしていますから、これまでなかった新製品を手掛けることも多いです。

アルミ蒸着のポリエステルフィルムを用いた粘着ラベルを日本で初めて開発したのは当社です。
さらに加えると水溶性の粘着ラベルの開発は当社が世界初なのです。

その開発精神を今も引き継ぎながら、高品質な製品の開発と改良を日夜続けています。

用途が多様な接触角計で新規開発に貢献

渡部様

協和/亀井専務:当社が納入した接触角計を、どのように活用されているのでしょうか。

渡部さま:主に、フィルムなどの基材と糊との粘着力を計測する際に、接触角計を活用しています。
例えば、一度貼ったラベルをはがすと、被着体に糊や基材が残ってしまうことがありますよね。これは、フィルムなどの基材と糊の粘着力が十分でないから、こうした事象が起きてしまうのです。

そこで、粘着力を強めるため基材にさまざまな処方を行うのですが、その処方の効果や不具合の原因などを設計段階で確認するうえで、接触角計を活用しています。

協和/星埜:つまり、処方した基材と糊との相性を見極めるうえで、接触角計で評価をしているということですね。

渡部さま:そうですね。具体的には、処方した基材に液体を垂らして、その濡れ性を確認しています。基材の表面に液が広がれば接触角が小さい、つまり糊が浸透しやすく基材との密着が強まることを意味しますし、逆に、液が広がらなければ接触角が大きいので基材との密着が十分でないと判断できます。基材との密着が悪いと粘着剤が被着面に残る要因となりますし、粘着力も確保できません。

協和/星埜:特にフィルムは基本的に水をはじく、接触角の大きい素材ですから、粘着力を高めるには処理が必要になる。その処理効果を接触角計で測定している、ということですね。

渡部さま:その通りです。私が担当している電子部材関連のお客様だと、例えばシリコンのウェハーに貼ったラベルをはがした際、糊が少しでも残っていたら商品にならないんですよ。新しい粘着製品の開発や既存製品を評価などの際に、接触角計で繰り返し計測し、はがしても糊が残らない商品を提供する。それが、お客様に不利益を生じさせない方法なのです。

インタビュー風景

協和/星埜:接触角計があれば、SEM(走査型電子顕微鏡)のような機器は必要ないかもしれませんね。

渡部さま:SEMだと測定前の準備が大変ですし、価格も非常に高価です。接触角計は簡便に測定できるし、SEMほど高価ではないので扱いやすいです。

協和/星埜:実務ではあまりないかもしれませんが、非破壊試験ができることも接触角計を活用するメリットになっていますか。SEMのような電子顕微鏡だと、素材を壊さないと計測できないこともありますよね。

渡部さま:それも助かる点ですね。例えば、「これに付けたいんだけど」とお客様が持ち込まれた製品を調べる場合、破壊はできません。ましてや新規開発中で一点ものしかないケースや、返却を求められるケースだと、電子顕微鏡は使えない。そういうケースでも、接触角計が有効ですね。実際、自動車や二輪車では貼りつける材料(被着体)が大きいケースが多く、通常加工しなければ装置に入らないが、接触角計はSEM等に比べるとサンプルサイズの余裕が結構ある、更にハンディーであれば大きさに関係なく測定可能なのも魅力です。

安心と信頼の実績が協和界面科学の魅力

接触角計

協和/亀井専務:30年以上前に当社が納入した接触角計を、今も大切にご利用になっていますね。

渡部さま:昭和63年(1988年)製ですからね。実は私と同じ年齢です。これだけ長く使える計測装置を提供できる技術力も、協和界面科学が信頼される理由でしょう。接触角計だけでなく、当社で使用する測定装置をインターネットで調べると、協和界面科学の製品が圧倒的に多いことも、選ばれる理由の一つだと思います。

協和/亀井専務:例えば、新しい測定装置の購入を検討する際、貴社ではどのような観点で選ばれていますか?

渡部さま:国産メーカーであること。その理由の一つは、使いやすいインターフェイスが挙げられます。海外メーカーの測定装置は日本向けに作られたものではないですから、どうしても使いづらい部分があります。
もう一つの理由として、メンテナンスサポートなどの対応力も、国産メーカーだと安心感があります。仮に修理が必要になった場合、海外製品だと部品の調達などに時間がかかりますから、スピーディーに対応してくれるという点で国産メーカーを選ぶ傾向にありますね。

国産メーカーのなかで選ぶとなれば、私たちの業界で圧倒的なシェアを誇る協和界面科学が候補に挙がってきます。装置の品質はもちろん、対応力も素晴らしく、これまでにもいろいろ相談させていただきましたから、買い替えが必要になった際には協和界面科学に、となるでしょう。一度購入すれば、何十年も使えるという実績もありますから。
私としても、既存の装置は既にサポート期間も終了している為、スピーディーで正確に測定できる新しい接触角計への更新を強く希望しておりますが、まだ既存の装置が元気に稼働している故、なかなか申請が通らないと言う悲しい現実があります(笑)

協和/星埜:当社が参加している粘着研究会の産学共同研究にも、倉本産業様は参加いただきましたね。

渡部さま:そうですね。あのとき、最新の測定装置に触れる機会もあり、操作方法など説明していただきました。やはり新しい機器のほうが、使いやすいですね。経時変化を写真と動画で自動撮影できますし、濡れ性の試験でも活用できそうだなと感じました。また、全てが自動なので人による誤差の介在がないのも魅力です。品質保証の観点ではかなり重要、また、人員の交代が出来るのも会社的に重宝するポイントです。

最新機種はデジタル式なのでソフトウェアを使用していますが、それも協和界面科学で自社開発しているというのも、安心感につながっていると思います。

新しいモノづくりで隠れたニーズを掘り起こしたい

協和/亀井専務:これからも、さまざまな点でご協力できればと思っています。「こういうのがほしい」といったご要望はありますでしょうか。

渡部さま:実例を紹介したWebコンテンツを提供いただけるとありがたいです。協和界面科学のセミナーに何度か参加していますが、「こんな測定をしたら、こんな結果が出た」という実例を紹介していますよね。

今はこういうご時世なのでセミナーが少なく、情報収集する機会もなくなっていますので、ホームページとかWebセミナーなどで情報発信を続けていただけると、開発者としてはうれしい限りです。

協和/亀井専務:今後の抱負と、当社とのかかわりについて教えていただけますでしょうか。

渡部さま:新しいものに積極的に触れていくことが、新製品や新技術の開発につながります。そして、開発した製品や技術を展示会などの場で紹介し、新規顧客の開拓や隠れたニーズを掘り起こしていくことも私たちの使命です。

そのうえで、製品や技術の客観的評価とか性能比較ができる測定装置は非常に重要です。測定装置の些細な誤差が、当社の信頼にも影響を与えることになります。その点で協和界面科学は、正確無比な装置を提供する会社として絶大な信頼がありますので、接触角計をはじめ今後もご協力いただければと思います。

協和/亀井専務:今後ともぜひ協力させていただきたく思います。本日はいろいろお話をいただき、ありがとうございました。

渡部様・亀井専務
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