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向井千秋 先生との意見交換会

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向井千秋 先生との意見交換会

お客様情報

向井 千秋 先生(宇宙飛行士、東京理科大学 特任副学長)
向井先生は日本人女性初の宇宙飛行士であり、現在は東京理科大学で特任副学長として活躍されています。東京理科大学においては、人が宇宙で暮らすことや宇宙で得られた知見を地球での暮らしに活かすことを目的として、学際的な宇宙関連研究が進むように尽力されています。
今回は、そんな多忙を極める向井先生に貴重なお時間いただき、界面科学と宇宙、働き方について意見を伺いました。

界面科学と宇宙について

協和/亀井:向井先生は宇宙と界面科学について、どのようなイメージを持たれているかお聞かせください。

向井先生:宇宙実験では流体力学に関する研究が多くなされています。微小重力環境下では、コロイド溶液などの流体は様々なパラメータに影響されるので、表面張力や接触角など、界面現象を数値で評価できるのは素晴らしい事だと思います。

一例ですが、宇宙実験で、水・油・水の三層を微小重力環境下で作り、温度勾配をかけて界面の動きを観察する実験がありました。地球上で薄いフィルムで隔離した三液を準備し、宇宙の微小重力環境下でフィルムを引き抜くことで水・油・水の三層をつくるというものでした。実際にフィルムを引き抜くと水と油が容器の内側と外側の2層となりました。この実験では、容器内壁への親和性の強い液体が壁側に移動したんです。地球上であれば重力の影響で上下に分かれるのですが、微小重力環境下では分離状況も違うのです。このような現象を数値化して評価できることは非常に有益と思います。

協和/亀井:当社でもぜひ宇宙と界面科学についてご協力させて頂ければと思います。

ライフ・ワークバランス、働き方について

協和/神保:当社では厚生労働省のプラチナくるみん等を取得しており、働きやすい環境を整えています。
お忙しい中、仕事もプライベートも充実されている向井先生は、「ライフ・ワークバランス」について、どのように調整されていたのでしょうか。

向井先生:私は仕事と楽しい仲間を大事にして過ごしてきました。結婚は選択しましたが、子供を持つことは選択しませんでした。人には1日24時間しかなく、すべてを選ぶことはできません。結局は自分自身が納得して何を選択するかということになると思います。選択した後は「あれを選んだが、これは選ばなかった」とポジティブに考えることが大事です。現代ならIoTやAIを活かして自分のタスクを機械に任せることで、もっと自分の時間を作れるようになるので選択幅も広がると思います。

意見交換会

協和/白井:向井先生は、心臓外科医時代に活躍されていましたが、宇宙飛行士になることを決意されてキャリアチェンジしました。先生は常にその時のキャリアを冷静に分析して次のキャリアへステップアップしているように思いました。この行動はどのような考え方を元に生まれるのでしょうか。

向井先生:これまでに得られた経験を応用してキャリア形成をすることが大事と思います。心臓外科医としての臨床の経験(診断・治療・予防)は、宇宙分野での装置の不具合箇所の診断・修理・予防等を考えるうえで役立ちました。また違った見方から新しい発見、新しいものが生み出されることもあります。

宇宙事業の発展には、こうした考え方や職業の違う人たちが集まり、様々な意見交換を通して新しいものが生み出されるのです。東京理科大学では産学官の連携による技術発展と社会実装を目指して、スペース・コロニー研究開発コンソーシアムを設立して活動しています。

協和/亀井:向井先生、貴重なお時間頂きありがとうございました。

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