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【界面科学シリーズ】第9回 目では見えないほど小さな世界のぬれを数値化する

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【界面科学シリーズ】第9回 目では見えないほど小さな世界のぬれを数値化する

💡 今回のハイライト

  • 微小液滴で、これまで測れなかった狭い領域のぬれ性を知りたい 
  • 単繊維などの微細な試料で、実際のぬれ挙動の違いを理解したい 
  • インクジェットなど実プロセスに近い条件で接触角を評価したい 

こんにちは! 受託測定課 です!
前回は接触角や滑落角など固体と液体の相性(ぬれ性)の評価方法について紹介しました。
今回は接触角測定の応用①として、「目では見にくいほど狭い領域」での接触角測定のお話をします!
そんな大きさで!こんな細さで!といった驚くほど小さい世界の測定になりますので、
自分が小さくなった気分でぜひ最後までご覧ください!

通常の接触角計との違い

当社のメイン装置である接触角計(DMシリーズ)のような一般的な接触角計は、
µLオーダーの液滴を用い、接触角を評価するケースが主流です。
しかしながら、近年の材料・デバイスの微小化に伴い、
従来の液滴サイズでは評価が困難な領域が増えています。

そこで注目されているのが、pLオーダーの微小液滴による接触角測定です。

微細・微小領域でのぬれ挙動

当社の極小接触角計(MCAシリーズ)では、
単繊維や粒子1つのような微細・微小試料に対する接触角測定が可能です。

例えば、繊維上での液滴挙動は、
右の写真のように表面状態によって大きく変化します。

(左)繊維全体を包み込むように広がるケース
(右)繊維上に留まり、局所的な液滴形状を 維持するケース

この違いは、表面の親水・撥水性、粗さ、化学状態などを
反映しており、表面特性の理解に有効です。

繊維上の液滴挙動:包み込むように広がるケースと、局所的な液滴形状を維持するケース

また、使用する液量は数十~数百pL程度と非常に少なく、
短時間での蒸発やぬれ広がりの挙動も観察対象となります。
液滴の蒸発・ぬれ広がり過程を経時的に測定・評価

高速カメラ観察による挙動観察

pLオーダーでの接触角測定では、着滴直後からのぬれ広がりや
接触角の経時的な変化を瞬間的に把握することが重要です。

MCAシリーズでは、高速カメラと組み合わせることで、
最大約2700fpsでの画像取得が可能であり、msオーダーの時間分解測定を実現しています。

例えば、着滴直後は比較的高い接触角であっても、数十ms以内には急速なぬれ広がりが生じ、
接触角が低下するといった変化が確認できます。

インクジェットによる“実環境評価”

MCA-J2では吐出機構にインクジェットヘッドを採用しています。
そのため、以下のような挙動を直接評価することが可能です。

  • インクの着滴挙動
  • 着滴後のぬれ広がり
  • 粘性液体や分散系の挙動 など

これにより、単なる物性測定にとどまらず、
実際のプロセス条件に近い状態での接触角評価が実現できます。

特に、印刷材料や機能性インク、電子材料などの分野では、
材料選定やプロセス設計に直結する評価手法として有効です。

<まとめ>

pLオーダーの液滴を用いた接触角測定により、
「測れなかった場所を測る」「見えなかった瞬間を捉える」ことが可能となり、
材料開発・品質評価の高度化に貢献します。
従来のµLオーダーでの測定では得られなかった重要な情報や新しい価値も得られるのです。

ここまでご覧いただきありがとうございました。
次回は、界面科学シリーズ第10回として「接触角測定の応用②表面自由エネルギー」を紹介します。
皆さまの業務や研究に少しでも役立つヒントになれば幸いです。どうぞお楽しみに!

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