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  3. 超薄膜領域における膜厚と接触角の関係

超薄膜領域における膜厚と接触角の関係

概要 固体表面に形成された薄膜の膜厚が接触角にどの程度影響するのか紹介する。
関連ワード:接触角、ぬれ(濡れ)性、表面分析、表面処理、表面改質、膜厚、超薄膜、単分子膜 >

1. 表面評価における課題

 半導体・電子材料、光学フィルム、医療デバイス、塗料・コーティング、自動車部材など、微細な表面処理が性能に直結する分野では、表面の状態を過不足なく評価することが重要である。たとえば、半導体ウェハ製造では数nmの残渣が密着不良や歩留まり低下を招くことがある。しかし、現場では「表面改質したはずなのに効果が安定しない」「洗浄工程の最適化が難しい」「薄膜を形成しても基材の影響がどこまで残っているか判断しにくい」といった課題がよく見られる。そのため、どれくらいの膜厚から膜固有の表面特性が反映されるのかを把握することは、洗浄工程や薄膜形成プロセスの最適化、表面処理の品質保証にとって極めて重要である。

2. 接触角測定の有用性

 接触角測定は、固体表面のわずかな汚れや改質状態の違い、表面組成の変化などを迅速に評価できる手法として多くの業界で利用されている。本稿では、当社の接触角計(DMシリーズ)を用いて、nmオーダー領域での膜厚変化に対する接触角の変化を評価した事例を紹介する。

3. 測定条件・結果および考察

 図1Z-テトラオールの薄膜の上に、ヘキサデカンを滴下して接触角を測定した結果を示す。
 Z-テトラオールの膜厚が0 Å ~ 5 Åの範囲では接触角が45° ~ 55°であったものの、膜厚が10 Å ~ 15 Åに達すると値が一気に増加していき、最終的に15 Å(= 1.5 nm)以上では約67°となった。この結果から、およそ1 nm以下の超薄膜領域においては接触角が基材の影響を受けているのに対し、膜が厚くなると表面を覆う膜そのもの(今回の場合はZ-テトラオール自身)のぬれ性(接触角)が顕著になると考えられる。

4. まとめ

 接触角はnmオーダーの微小な膜厚変化にも鋭敏に反応し、固体表面が膜厚2 nm程度の薄い汚れやコーティングで覆われると、基材ではなくその上にある物質の表面特性を反映するようになることが分かった。接触角測定は固体表面に液滴を垂らすだけという非破壊かつ非常にシンプルな手法でありながら、表面にある数層の分子膜に対しても高い感度を持つため、表面改質の安定化や洗浄度の検証、薄膜形成プロセスの条件設定における有効な指標として活用できる。

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