接触角測定の感度
ポイント
薄膜の接触角への影響。
キーワード 接触角、感度
1.はじめに
固体表面のコーティング評価、洗浄評価で水やその他の液体の接触角測定が様々な分野で導入されている。接触角測定においてその測定時間は数秒という短い時間だが、簡易的な評価であるにも関わらず、その感度は非常に優れている。
2.非常に薄い薄膜が接触角に影響する
表面組成の変化は、接触角測定において非常に顕著に現れる。それでは固体の表面層の厚みが接触角にどれほどの影響を与えるのかを見ていく。
右図はZ-Tetraol(Z-テトラオール)filmの膜厚に対するHexadecane(ヘキサデカン)の接触角の変化特性である。X軸にZ-Tetraolの膜厚[Å]を取り、Y軸にHexadecaneの接触角[°]を取っている。およそ15Å(1.5nm)以上の膜厚においては接触角の測定結果は約67°に漸近している。40Å以降の測定結果は100Åまでプロットされていないが、両者がほぼ同じ値であることからその間の膜圧での接触角も近しい値であることが予測できる。
このようにナノオーダーレベルの非常に薄い表面膜の存在でも、接触角の値に顕著に現れる。接触角測定は非常にシンプルで容易な測定方法でありながら、その測定表面の組成に対する感度に非常に優れていることから、表面の洗浄性評価、改質性評価などの手法として、様々な分野で広く扱われている。