【界面科学シリーズ】第8回 接触角の測定方法の選び方(特徴や違いなど)

💡 今回のハイライト
- 接触角の測定方法ごとの違いを理解して、評価目的に合った手法を選びたい
- 液滴法・拡張/収縮法・滑落法・Wilhelmy法が「何を見ているか」を整理して把握したい
- 数値の違いに迷わず、納得感をもって測定結果の解釈ができるようになりたい
こんにちは! 受託測定課 です!
前々回・前回の記事では、「接触角」と「滑落角」の基礎についてご紹介しました。
今回はこれらの測定方法を評価目的に沿って選べるようにお話しします!
同じ試料の組み合わせなのに測り方が異なると数値が違う!というお悩みを一緒に解消しましょう!
<当社でできる接触角の測定方法はこの4つ!>
接触角の測定方法は、どの状態・どの瞬間を見たいかによって使い分けられます。
当社装置で行える主な方法は以下の4つです。
- 液滴法
- 拡張/収縮法
- 滑落法
- Wilhelmy法(プレート法)
それぞれ特徴がありますので、順番に見ていきましょう!
1. 液滴法
液滴法は、固体表面の上にそっと液滴を置き、その場での液滴の形から接触角を評価する方法です。
- 使用装置 :接触角計DMシリーズ
- 評価状態・瞬間:液滴を置いたときの静止した状態
- 特徴 :表面の基本的な“性格”をつかみやすい
一般的なぬれ性評価方法 - 注意点 :動き出しやすさまでは分かりにくい
「はじいて見える」=「必ず落ちる」ではない

2. 拡張/収縮法
拡張/収縮法は、固体表面上で液滴の量を変えながら、
液体がぬれ広がらされるとき(拡張時)・吸い戻されるとき(収縮時)の様子を評価する方法です。
例えば、ペンキを塗るときの塗りやすさなどの評価に向いています。
- 使用装置 :接触角計DMシリーズ
- 評価状態・瞬間:液滴の大きさが変わる途中の状態
- 特徴 :外力による強制的なぬれ広がりを評価できる
- 注意点 :粘度の高い液体試料は吐出制御が難しい
3. 滑落法
滑落法は、固体試料に液滴を落とし、その固体を少しずつ傾け、
固体試料上の液滴が動き出した瞬間を捉えます。
例えば、車のフロントガラスなどの傾斜面での液除去性評価に向いています。
(補足)滑落角は液滴と固体表面のなす角ではなく、液滴が動き出すときの固体試料の傾斜角です!
- 使用装置 :接触角計DMシリーズ
- 評価状態・瞬間:液滴が転がり始める瞬間
- 特徴 :傾斜面の液除去性を直接評価できる
- 注意点 :液滴の量によって動き出すタイミングが
変わるため、条件設定が大切

4. Wilhelmy法(プレート法)
Wilhelmy法は水平な液体試料面に対して、
固体試料を垂直に接触させて上下に移動させながら接触角を測定する方法です。
例えば、ディップコートのコーティング時の評価に向いています。
- 使用装置 :表面張力計 DYシリーズ
- 評価状態・瞬間:液体試料に対して固体試料を浸す(浸漬時)・引き上げるとき(引上時)の状態
- 特徴 :コーティングや浸漬工程をイメージした評価がしやすい
- 注意点 :液滴の形を直接観察する方法とは評価の切り口が異なる
<まとめ>
接触角の測定方法がいくつもあるのは、見ている現象や瞬間が違うからです。
どれが良い・悪いという話ではありません。
「何を知りたいか」「どう使われるか」それに合わせて方法を選ぶことで、
測定結果の見え方も、納得感も変わります。
測定方法はただの道具であり、大切なのは目的ということをお忘れなきよう。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
次回は、界面科学シリーズ第9回として「目では見にくいほど狭い領域での接触角測定」を紹介します。
皆さまの業務や研究に少しでも役立つヒントになれば幸いです。どうぞお楽しみに!





