動的表面張力とは
動的表面張力とは、新たな液体界面が形成されてからごく短時間における表面張力を指します。界面活性剤の吸着速度や界面形成初期の挙動を評価できるため、発泡・塗布・洗浄・噴霧など実使用環境に近い性能評価に重要です。代表的な測定法には最大泡圧法があり、起泡性や界面活性挙動の解析に広く用いられています。
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動的表面張力とは
静置状態で測定される静的表面張力では数値に現れない、界面形成直後の初期挙動を評価することができる指標です。

撹拌直後など新たな液面(界面)が形成されて間もない状態では、界面活性剤が液中(バルク)に分散し、界面へまだ十分に集まっていないため、表面張力が高くなります。しかし、時間経過とともに界面活性剤が界面へ吸着・配向することで表面張力が下がっていきます。
「静的表面張力」は、界面活性剤が十分に界面に整列し、表面張力の低下が収まった安定値を指します。一方、「動的表面張力」は瞬間的な界面形成直後の表面張力を指すことから、発泡・噴霧・塗布・洗浄などの実使用条件に近い挙動における表面張力となります。
起泡性との関係
起泡性とは「泡がどれだけ発生しやすいか」を意味し、泡が形成される瞬間の界面挙動に強く依存します。
洗浄や撹拌、噴霧といった操作では、液体表面が連続的に乱され界面が常に生成・破壊され続けるため、ごく短時間の表面張力挙動が泡立ちの良し悪しを大きく左右します。
特に、界面形成後に表面張力が高い状態を維持する場合、泡は生じにくく、泡立ちも不均一になります。一方、界面形成直後の短時間で表面張力が低下する場合は、泡立ちが良く、微細で均一な泡を形成しやすいといった特性を示します。
このほかにも、「泡」をより多角的に把握するためには、泡沫安定性の評価手法であるラメラ長測定や液膜安定性測定と組み合わせることも有用です。
一般的な評価手法
これらの中でも、起泡性評価・実用評価で最も広く使われるのが「最大泡圧法」です。
| 分類 | 測定手法 | 特長 |
| 気泡法 | 最大泡圧法(Maximum Bubble Pressure) | 最も広く使われている ms~sオーダー |
| 液柱法 | 振動ジェット法 | 研究用途で用いられることが多い 高速界面生成 |
| 滴下法 | 短時間滴下体積法 | sオーダー |
| 板法 | 振動Wilhelmy法 | 中~長時間域 |
| 画像解析 | 動的ペンダントドロップ法 | 界面形成~数sオーダー |
当社で可能な測定
当社の動的表面張力計「BP」シリーズは、「最大泡圧法」で動的表面張力を測定する装置です。
最大泡圧法では、液体中に挿した細管(プローブ)から一定流量で空気を吐出します。気泡が成長する過程で気泡の内部圧力は次第に増加し、気泡径がプローブの穴径と等しくなった瞬間(③)、圧力は最大値を示します。この最大圧力(最大泡圧)から、Young-Laplace式に基づいて表面張力を算出します。
また、①から③の時間をライフタイム(気泡の寿命)といい、プローブ先端から気泡が外れた後、新しい界面が形成され始めた時点から最大泡圧となるまでの時間を指します。ライフタイムの間に気泡表面へ吸着した界面活性剤が表面張力を左右します。
プローブから吐出される空気流量をコントロールすることで気泡生成速度(ライフタイム)を連続的に変化させることができるため、界面活性剤の吸着速度や界面形成初期の表面張力低下挙動を時間分解能高く評価できます。
なお、最大泡圧法は、実際の泡生成現象と非常によく類似しており、界面が「引き伸ばされながら」形成されるという点で、界面が短時間で連続的に生成される工程を含む洗浄剤・発泡剤・化粧品・インク・塗料などの評価に適しています。


よくある質問
Q
動的表面張力とは何ですか?
A
動的表面張力とは、撹拌直後や気泡生成時などによって新たな液体界面が形成されてからms~s程度の短時間における表面張力を指します。
Q
静的表面張力との違いは何ですか?
A
静的表面張力は界面活性剤が十分に吸着した平衡状態の値であり、動的表面張力は界面形成直後の瞬間的な表面張力を評価します。
Q
動的表面張力はなぜ重要ですか?
A
発泡、噴霧、塗布、洗浄などでは界面が連続的に生成されるため、実使用環境に近い界面挙動を評価できる動的表面張力が重要になります。
Q
最大泡圧法とは何ですか?
A
最大泡圧法とは、液中で生成される気泡の最大内部圧力から、Young-Laplace式を用いて動的表面張力を求める測定方法です。
Q
動的表面張力と起泡性にはどのような関係がありますか?
A
界面形成直後に表面張力が素早く低下する液体ほど、泡立ちが良く、微細で均一な泡を形成しやすい傾向があります。
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