洗浄処理がガラス表面のゼータ電位に及ぼす影響
概要 洗浄プロセスを比較評価する手法として、固体表面のゼータ電位測定法を紹介する。
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1. 表面状態の評価における課題
食器用洗剤を用いて食器を洗浄すると、表面の付着物が除去されるだけでなく、 洗剤成分が表面に吸着し、ぬれ性や帯電状態などの表面特性が変化する場合がある。このような表面特性のうち、ぬれ性を評価する接触角測定は、簡便かつ迅速な手法として広く用いられている。一方、表面官能基の挙動や固液界面の帯電状態に着目する場合には、ゼータ電位測定が有効である。
2. 固体表面のゼータ電位測定の有用性
本稿では、食器表面のモデル基板として未使用のスライドガラスを用い、洗浄前の試料(以下「未使用試料」という)と洗浄後の試料(以下「洗浄後試料」という)を比較した。Anton Paar社製のゼータ電位計「SurPASS 3」を用いて両試料のゼータ電位を測定し、固液界面の帯電状態を比較評価した事例を紹介する。
3. 測定条件・結果および考察

この変化には、洗浄に伴う表面付着物の除去や、洗剤成分の吸着または残留による表面状態の変化が関与した可能性がある。特に、洗剤成分がガラス表面を被覆することで、ガラス表面に由来する負電荷の影響が部分的に遮蔽された可能性がある。ただし、ゼータ電位測定のみでは、洗剤成分の吸着または残留や親水性薄膜の形成を直接確認することはできない。
4. まとめ
本測定により、洗浄前後のスライドガラスについて、固液界面の帯電状態を反映する界面電気的特性の変化を評価した。SurPASS 3は、分散粒子を対象とする一般的なゼータ電位計では評価が困難な固体試料について、ゼータ電位を測定できる。また、接触角測定では直接得られない、固液界面の帯電状態を反映する情報が得られる。さらに、さまざまな試料サイズや形状の固体試料にも対応できるため、接触角測定と相補的に用いることで、固体表面のぬれ性とか固液界面の帯電特性を多面的に評価できる。





