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  3. 沈降性測定による分散安定性評価

沈降性測定による分散安定性評価

概要 製造段階や最終製品における分散液の分散安定性を評価するための簡便な手法として、沈降性測定を紹介する。
関連ワード:粉末(粉体)、分散媒(溶媒、液体)、分散安定性、沈降性、塗料、化粧品、食品、製造 >

1. 分散液中の粉体の分散状態維持における課題

 塗料・化粧品・機能性材料・食品などの製造段階や最終製品において、目的とする機能を失わないために分散液の状態維持や管理をすることが重要である。一般的に、分散安定性の評価方法としてゼータ電位や粘度の測定があげられるが、測定や結果解釈のために多くの知識を要する。また、これらを評価できる装置は操作が難しかったり、非常に高価であったりすることが多い。

2. 分散安定性評価における沈降性測定の有用性

 沈降性測定の方法は、専用の治具を用い、表面張力計の電子天秤を応用して行う。分散安定性を評価する場合は、分散液中に測定子を入れた状態で0点をとり、撹拌子で一定時間撹拌し、撹拌子を止めてから測定子に沈積した粉体の重量から評価する。分散安定性が悪い粉末ほど沈降しやすいため、重量が重くなる。本稿では、ココアパウダーの分散安定性を評価した事例を紹介する。

3. 測定条件・結果および考察

 純水中に3種類のココアパウダーをそれぞれ分散させた液について沈降性測定を行った。図2より、③は圧倒的に早く沈んでいることから、分散安定性が悪いといえる。①や②はほぼ同じ沈降性であるが、②のほうがやや分散安定性が良好であると判断できる。

4.  まとめ

 沈降性測定により、分散液の分散安定性が簡単かつ定量的に評価できることが確認された。分散安定性以外にも初期分散性(初期ぬれ性)評価にも適応可能であり、操作も簡易であることから、日常的な研究開発や品質管理において高い有用性が期待できる。

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