電極材料における電極スラリーと金属箔の密着性評価(剥離角度依存性)
ポイント
粘着テープの支持体の剛性に左右されない剥離角度で測定ができます。
キーワード 剥離角度
1.はじめに
電極材料として使用するアルミ箔表面には酸化膜が存在し、電子移動する際の電気抵抗を増加させます。電気抵抗を下げる手段として導電性カーボンスラリーをアルミ箔上にコートする方法がありますが、カーボン粒子が剥離しやすいため、密着性を向上させることが課題です。
2.解決すべき問題
密着性を評価する剥離試験において、従来の引張試験機を使用した180°の剥離では、試料を折り曲げると粘着テープの支持体の剛性によって塗膜がすぐに剥離してしまい、試料間の差異を見いだすことが困難でした。
3.測定条件・結果
- 測定には粘着皮膜剥離解析装置 VPAを使用し、5Nのロードセルで試験しました。試料A、Bにおいて、それぞれ45°、90°、180°の3つの剥離角度で測定しました。
- その結果、剥離角度が小さいほど、A、B間の剥離力の差が大きくなりました。
- 特に、45°の剥離角度においては、A、B間の剥離力に顕著な差が見られました。