コーティング剤の性能・耐久性評価
概要 コーティングを施した表面の性能および耐久性の評価方法として、摩擦測定および滑落角測定を紹介する。
< 関連ワード:コーティング剤、被膜、指滑り、汚れ防止、摩擦、耐久性>
1. 表面評価における課題
スマートフォンやタブレットの画面では、指紋や化粧汚れの付着、指滑り性の低下が操作性に影響する。これらの対策としてフィルムやコーティング剤が用いられるが、その効果を定量的に比較・評価する手法が求められている。
2. 摩擦測定および滑落角測定の有用性
摩擦測定では、コーティングの有無による摩擦係数の違いを評価することで、滑り性を定量的に把握できる。また、繰り返し摺動に伴う摩擦係数の変化を追跡することで、コーティング膜の耐久性評価が可能となる。滑落角測定では、液滴が流れ落ちる角度から固体表面と液体の付着性を評価でき、液除去性や防汚性の指標として活用できる。本稿では、当社の摩擦計および接触角計を用いて、コーティング膜の性能および耐久性を評価した事例を紹介する。
3. 測定条件・結果および考察

スマートフォン用ガラスフィルムにコーティング剤を塗布した試料を作製し、未処理品と比較して摩擦係数および滑落角を測定した。滑落角測定では液量20 µLとし、液滴の両端点が水平位置から1 mm移動した時点を滑落角と定義した。その結果、コーティング品は未処理品より滑落角が低く、付着エネルギーも計算上小さい値を示し(図1)、液除去性および防汚性の向上が示唆された。
摩擦測定(荷重100 g、摺動速度80 mm/s、片道測定)では、コーティング品は未処理品よりも動摩擦係数が小さく、滑り性の向上が確認された(図2)。さらに、コーティング品に対し同一箇所で連続200回の摺動試験を実施し、摩擦係数の変化を評価した。摺動回数の増加に伴い摩擦係数は上昇傾向を示したものの、200回摺動後においても未処理品より低い値を維持しており、コーティング効果が残存していることが示唆された。
4. まとめ
本事例から、摩擦測定および滑落角測定は、コーティング膜の滑り性、防汚性および耐久性を定量的に評価する手法として有効であることが示された。本評価は、200回の摺動試験を実施したが、本装置は最大10,000回の摺動試験に対応可能であり、実使用を想定した繰り返し摺動に対する耐久性評価にも適用できる。





