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摩擦とは

摩擦とは、固体同士が接触して動く際に生じる抵抗現象であり、製品の滑りやすさや耐久性を左右する重要な特性です。摩擦係数や摩耗特性を定量的に評価することで、潤滑材料・コーティング・樹脂・金属部材などの性能改善や品質管理に役立ちます。本記事では、摩擦・摩耗の基本原理から代表的な測定手法、評価装置までを解説します。

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摩擦とは

どんなに滑らかに見える表面も、ミクロ視点では無数の凹凸が存在します。2つの面が接触すると、これらの凹凸が噛み合ったり、分子レベルで引き合ったりすることで、抵抗が生じます。このように固体と固体が触れ合うときに生じる抵抗が「摩擦」です。さらに、摩擦によって生じる固体表面の損傷および粉末脱落による表面の遂次減量は「摩耗」と呼びます。

摩擦・摩耗現象は物体の運動制御に密接に関わっています。例えば、我々が「地面の上を歩く」「物をつかむ」「鉛筆で字を書く」といった動作が行えるのは、摩擦・摩耗のはたらきのためです。このように摩擦・摩耗は物の制動・保持・担持などに関与しています。これらの特性を意図的に増強・抑制した用品は数多くあり、そのような物の評価においては摩擦・摩耗の特性を正確に評価することが極めて重要になります。なお、その大小は摩擦面の材質・形状・表面粗さ、垂直荷重、摺動速度・回数、温度・湿度など様々な要因に左右されます。

摩擦力Fは、摩擦面に作用する垂直荷重Wに比例することが知られています(アモントン-クーロンの法則)。ここで比例定数は摩擦係数μと呼ばれます。摩擦力Fは垂直荷重Wによって変化してしまうのに対して、摩擦係数μは表面に固有の定数なため、表面の滑りやすさは摩擦係数μで伝えるのが一般的です。摩擦係数μが小さいほど滑りやすい、大きいほど滑りにくいと判断できます。
アモントン-クーロンの法則
物体が静止している状態から動き出し、定常的に滑り続けるまでの過程で、摩擦力は大きく変動します。
摩擦力の種類 説明
静止摩擦力 物体がまだ動いていない状態で外力を加えたときに、それに抵抗する形で生じる摩擦力です。力を徐々に強くしていくと、抵抗も大きくなります。
最大静止摩擦力 物体が動き出す直前の最も大きな抵抗力のことです。一般に、動摩擦力よりも大きな値を示します。
動摩擦力 物体が動き出した後に作用する抵抗力です。アモントン・クーロンの法則によれば速度に関わらず一定とされますが、実際には表面の状態や速度によって変動することがあります。
摺動距離に対する摩擦力の変化
図1 固体表面に一定の垂直荷重をかけ、一方向に水平移動させたときの摩擦力の変化

測定方法について

摩擦測定には、試験片の形状や実際の滑り形態に合わせて、様々な方法があります。ここでは代表的な測定方法として点・線・面接触の3種類を紹介します。中でも点接触のボール・オン・プレートやボール・オン・ディスク、面接触のピン・オン・ディスクは、試験片の準備が簡便なことから、学術論文においても数多く採用されています。
測定法 接触形態 特徴 図解
ボール・オン・プレート 点接触
  • 平板試料の上をボールが往復摺動する手法
  • 汎用性が高く、準備が容易
  • 繰り返しによりボールが摩耗し、接触面積が変化する点に注意が必要
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ボール・オン・ディスク 点接触
  • 回転する円盤にボールを押し当てる手法
  • ボール・オン・プレート同様、ボールが摩耗し、接触面積が変化する点に注意が必要
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ブロック・オン・リング 線接触
  • 回転する円筒の側面にブロックを押し当てる手法
  • 試験初期は線接触だが、繰り返しにより接触面積が変化する点に注意
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ピン・ブロック 線接触
  • 棒状試料を2枚のブロックで挟み回転させる手法
  • 潤滑油の特性評価で一般的
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ブロック・オン・プレート 面接触
  • 平板試料の上をブロックが往復摺動する手法
  • 接触面積が一定で、面圧(単位面積あたりの力)が低いのが特徴
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ピン・オン・ディスク 面接触
  • 回転する円盤にブロック(ピン)を押し当てる手法
  • 接触面積が安定しており、再現性が高い
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当社装置の紹介

当社は、材料の摩擦・摩耗特性を定量的に評価できる装置として、自動摩擦摩耗解析装置TSf-503を提供しています。TSf-503は、水平直線往復摺動方式(バウデン式)の摩擦計です。ステージ上に平板試料を固定して、接触子に垂直荷重Wを加えた状態でステージを移動させると接触子と試料との間に摩擦力Fが生じます。このときの摩擦係数μをμ=F/Wという関係式から算出します。
バウデン式摩擦計による測定イメージ
図2 水平直線往復摺動方式(バウデン式)の模式図
TSf-503用の接触子には、標準付属の点接触子を始めとして、オプション品の面接触子・線接触子・R接触子などもあり、多様な摩擦・摩耗特性の評価が可能です。また、同一箇所を繰り返し摺動することで、摩擦係数の変化からコーティング膜などの耐久性の評価も可能です。
さまざま形状の接触子
図3 TSfシリーズ用の各種接触子(左から順に点接触子、面接触子、線接触子、R接触子)

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