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防曇とは

防曇(ぼうどん)とは、ガラス・レンズ・フィルムなどの表面に発生する微細な水滴によって視界が妨げられる「曇り(くもり)」を防ぐ技術です。防曇性能は光学機器・自動車・医療機器・包装材など多くの分野で重要視されており、近年では「曇りにくさ」を客観的かつ定量的に評価する技術への要求が高まっています。

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防曇とは

防曇(ぼうどん)とは、固体表面上に存在する水滴により視界が妨げられる現象(曇り・くもり)を防ぐ技術・機能のことです。

曇りが発生すると光が乱反射して透明性の低下とともに視認性が悪くなります。視認性は作業効率や安全性にも直結するため、光学機器・包装材・医療機器・自動車部品など、多くの業界で「くもりにくくする」ための防曇技術は欠かせません。
車両・建材・浴室などに用いられるガラス類や、レンズ・メガネ・フィルムなどの透明材料、 また、鏡などの反射材料にとって、安定した「くもりにくさ」の数値化、すなわち防曇性能の定量的な評価は重要な課題となっています。

日常で見られる曇りの事例
図1 防曇技術が活用される身近な場面

曇りのメカニズム

メガネや車の窓、お弁当のふたなどが白く曇る現象は、表面に微細な水滴が付着・生成することで起こります。単純に雨などにより水滴が付着する場合もあれば、結露のように温度差や湿気によって空気中の水蒸気が凝縮して水滴が生成される場合もあります。これらの水滴が光を散乱させることで試料の透明性が失われて見えにくくなります。

そのため、曇りを防ぐ方法として大きく以下の3つが挙げられます。

  • 材料表面の除湿、周辺空気や材料そのものの加熱によって結露自体を防ぐ
  • 超撥水表面を成膜することで水滴の付着抑制と除去性を向上させる
  • 超親水表面や吸水膜による効果で水滴を均一な水膜に広げ、光の散乱を抑える
乾いたガラスは像が鮮明に見える

<乾いたガラス>

遮るものが無く、光がそのまま透過するため、像がくっきりと鮮明に見える
水滴のついたガラスは像がぼやけて見える

<水滴のついたガラス>

水滴によって光が散乱し、 像がぼやけて見える
図2 曇って見えるメカニズム

従来の評価手法

防曇性能の評価手法として、これまで広く使われてきた方法を以下に示します。

各種規格に基づく試験方法も明示されていますが、いずれの規格も曇っているかの評価は目視による官能評価がほとんどで、客観的・定量的な評価はなされていません。また、曇りは環境条件や水滴の状態に大きく左右されるため、測定条件の統一や測定結果の再現性は依然として課題です。

測定手法 方法 メリット デメリット
官能評価 ポットなどの湯気を試料へ当てて、透明性や見え方を目視で確認 専用装置が不要
低コスト
客観的・定量的な評価が困難
ヘイズメーター 光を透過させたときの散乱量(ヘイズ値)や透過率を測定 規格試験で広く使われている 装置の構造上、測定中に結露を生成できない
接触角計 試料に液滴を垂らし、ぬれ性を接触角として評価 親水性・疎水性を定量化でき、曇りのメカニズムと直結して分かりやすい 実際の結露状態とは必ずしも一致しない
【防曇に関する規格】

<JIS規格>

  • JIS K2399:自動車用くもり止め剤
    K2399に準拠した装置にて3分間蒸気にさらし、曇りの有無を目視にて確認
  • JIS S7027/S7301:スキーゴグル/スイミングゴグル
    5℃の恒温槽に30分間放置後、速やかに25℃65%RHの恒温室に入れ、曇りの有無を目視にて確認
  • JIS A1514:建具の結露防止性能試験方法
    A1514に準拠した装置にて、曇りの有無を目視にて確認

<EN規格>

  • EN168:Personal eye-protection Non-optical test methods
    試験片を水蒸気にさらし、レーザー光の透過率を時間の関数としてプロットし、透過率80%以下で曇りと判定する
EN168:Personal eye-protection Non-optical test methods

当社が開発した新たな評価手法

当社の防曇性評価装置AFA-2では「遠くの景色がはっきり見えるかどうか」という観点から、ガラスやレンズ・鏡などの防曇性能を評価することができます。この装置は従来の手法とは異なり、画像のファイル容量から曇り度合いを数値化しています[特許 第6111313号]。

カラー画像データを圧縮するとき、曇りなく明瞭に映っている画像はピクセルパターンが多く、圧縮後の容量が大きくなります。一方で、曇りかけの画像や曇ってしまった画像は不明瞭なため、色や明るさの変化が乏しく、何パターンかのピクセルを同一とみなして圧縮するため圧縮後の容量が小さくなります。この理屈を利用して、透過性材料や鏡越しに撮影した風景画から防曇指数を解析します。

  曇っていないとき 曇っているとき
測定画像例 圧縮指数55の風景画 圧縮指数20の風景画
画像の明瞭さ 明瞭 不明瞭
圧縮後の容量 55 KB 20 KB
防曇指数 高い 低い
また、AFA-2では恒温恒湿槽内に設置したサンプルの表面温度を下げることで結露を生じさせるため、下図のように曇り始め(②)から完全に曇ってしまうまで(③)の時間変化を連続的に評価することが可能です。人の目で見ている事象を定量的に数値化し、測定者の主観に左右されないことが、この評価方法の最大の利点です。
防曇指数の変化と被写体の様子
図3 曇り過程における防曇指数の経時変化

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