1. 界面科学測器の協和界面科学
  2. 界面科学の世界
  3. 身近な界面科学
  4. 【第6回】ショウノウ舟はなぜ動くのか?

【第6回】ショウノウ舟はなぜ動くのか?

1円玉と並んで、よく表面張力の現象として持ち出されるのが、「ショウノウ舟」です。 小さな模型舟の船尾にショウノウの塊を付けておくと、舟を水に浮かべたときに勝手に走り回る現象です。

「ショウノウ」というと防虫剤の匂いを思い出す方もいらっしゃるでしょうが、最近ではp(パラ)−ジクロロベンゼンなどにその役目を奪われてしまいましたので、入手しにくいかもしれません。
(なお、いずれも口に入れると有害ですので、食べないように。)

こショウノウの分子は、水をはじく疎水基と、水になじむ親水基を持っています。舟の船尾に取り付けられたショウノウの塊が分解して、分子が水面に移ると、疎水基を上にして単分子の膜を形成します。舟の後方ではショウノウの単分子膜ができ、舟の前方には水面があります。物質は表面張力により、その面積を少なくしようとします。この場合、水の表面張力はショウノウよりも高いため、水面の面積の方がより小さくなろうとする力が強いのです。したがって、ショウノウと水の境目は水のほうへ引き寄せられます。そして、その境目にある舟も、一緒に引っ張られてしまうため動きます。また船尾のショウノウはどんどん溶け出していきますから、ますますショウノウの表面は広げられてしまいます。

【第6回】ショウノウ舟はなぜ動くのか?

ショウノウにはじかれて動いているように見えますが、実際は水の表面張力によって引っ張られているわけです。しかしこの舟も、水面が完全にショウノウ分子で覆われてしまうと、動かなくなります。

なお、以下のような物質であれば、ショウノウでなくともこの現象を確認できることがあります。

  • 水に混じらない。
  • 単分子膜を形成する。
  • 水と比べて非常に表面張力が低い。
予算申請カタログ

予算申請カタログを配布しています!

ご請求いただいたお客様に、「予算申請カタログ」をダウンロード配布しております。

受託測定

商品電子カタログ一覧

当社の商品の製品カタログがご覧いただけます。

カタログをダウンロードする

よくある質問

当社に寄せられる質問と回答をまとめております。

よくある質問を見る

各種窓口

商品・サービスに関してお困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。

窓口で相談する

ユーザー評価にご協力ください。

協和界面科学のwebサイトについて
ユーザー評価アンケートにご協力ください。