接触角を活用した表面粗さの評価
概要 表面粗さによるぬれ性を定量化するための安価かつ簡便な手法として、接触角測定を紹介する。
< 関連ワード:接触角、ぬれ性(濡れ)、撥水性、表面改質、表面粗さ(Ra) >
1. 撥水加工の課題と評価の重要性

化学的組成のみを制御した固体表面の撥水処理の限界は120°程度といわれている。接触角150°以上の超撥水表面を得るためには、物理的に表面に微細な凹凸をつけることが必要不可欠である。
表面の微細な凹凸構造がぬれ性に関わっている例として、蓮の葉のロータス効果が有名である(図1)。これを応用したバイオミメティクス(生物模倣)製品も数多く存在する。そのため、表面構造とぬれ性の関係を定量的に評価することは重要といえる。
2. 表面の凹凸とぬれ性の関係
固体表面は、目視では平滑に見えてもミクロの世界では非常に微細な凹凸構造となっていることがある。液滴の径より十分に小さな凹凸では、その構造によって表面積が増え接触角に対して大きな影響を及ぼすことになる。一般的に、平坦固体表面に無数の細かい傷をつけると、ぬれやすい表面はさらにぬれやすく、ぬれにくい表面はさらにぬれにくくなることが知られている(Wenzelの式)。本稿では、当社の接触角計(DMシリーズ)を用いて表面粗さによるぬれ性を定量的に評価した事例を紹介する。
3. 測定条件・結果および考察

表面粗さの異なるガラスに撥水処理(パーフルオロアルキル基含有シランで処理)し、水の接触角を測定した。
表面粗さが小さい時の水接触角は110°程度であったが、表面粗さを大きくすると、最大で140°近くまで接触角が変化した。したがって、表面粗さ(Ra)が増大するにつれて接触角も大きくなり、より撥水性の高い表面になったといえる。
4. まとめ
接触角によって固体表面の粗さの制御による撥水性能の変化を定量的に評価することが可能であることが確認された。接触角測定は、装置が比較的安価で操作も容易であることから、日常的な品質管理や研究開発において高い有用性が期待できる。



