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表面改質剤を使用した樹脂の防曇性評価

概要 定量的な防曇性評価方法として、当社の防曇性評価機能装置AFA-2を紹介する。
関連ワード:曇り、防曇性、定量的、表面改質、表面処理、曇り止め、防曇指数 >

1. 防曇性評価における課題

 近年様々な防曇機能を持つ表面処理技術が開発され商品化しているが、評価方法は進歩しておらず、官能評価が主流である。しかし、官能評価では個人差が含まれるため、客観的で定量的な評価が開発や品質管理の場で必要とされている。本稿では、カメラ映像の曇り度合いを自動で数値化する防曇性評価装置AFA-2を用いた試料間の機能比較評価した事例を紹介する。

2. 防曇性向上の重要性

 曇りとは、空気中の水蒸気が、露点よりも冷たい鏡などに触れることで結露し、その水滴が光を散乱させることで白く見える現象である。曇りは日常生活や安全面で問題を引き起こす。例えば、自動車の窓ガラスでは、結露により視認性が低下し、非常に危険である。また、食品を保存するショーケースやお弁当の容器においては、曇ることで中の商品が確認できなくなる。
 こうした問題を防ぐため、結露が発生しても視認性が低下しない表面処理が求められる。

3. 測定条件・結果および考察

 試料は、ブランク(未処理樹脂板)、市販曇止めを塗布した樹脂板、アクリル系の機能性モノマー(※1)不使用と使用の4種類を対象とした。機能性モノマーは、多量の結露が続く環境下における視認性維持を目的としている。当社のAFA-2では、槽内の温湿度、試料の表面温度を調節することで結露を発生させ、その際の曇り度合を数値化する。その数値は防曇指数(※2)で表示され、数値が高いほど視認性が良いことを示す。

※1 試料ご提供 日本乳化剤株式会社 アミノイオン® RE3000MF
※2 防曇性評価装置AFA-2の評価値(特許第6111313号)

 図2より、100秒後付近では市販の曇止めの防曇性が最も高いが、その後、結露量が一定量を超えると、機能性モノマー処理の数値が回復を見せていることが確認できる。これは結露が多量に発生することを逆手に取り、結露した液を一枚の液膜とすることで視認性回復へと導いた結果といえる。塗料、コーティング材、フィルムなどでの活躍が期待できる。

4.  まとめ

 AFA-2で測定した防曇指数より、定量的に防曇機能を評価することができる。また、取得画像からも実際の曇り度合いを確認することができ、イメージがしやすい。これにより、開発や品質管理の場において、客観的かつ定量的な評価が可能となる。

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