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滑落法による撥水性の評価 1

ポイント

液除去性を目的とした撥水性の評価では、接触角よりも滑落角 が評価指標としてふさわしいです。
キーワード 撥水性,接触角,滑落法,滑落角

1. 滑落法

液滴を水平な状態から徐々に傾斜させるとき、液滴が滑落し始める時の傾斜角を滑落角といい(図1のα),同じ液量では滑落角の小さな表面は液体との付着性が弱い(液除去性=滑落性が良い)と言えます。

図1 接触角θと滑落角α

2. 接触角と滑落性

接触角が必ずしも滑落性(液滴除去性)の指標とはならない具体例を以下に示す。

2.1. 測定条件

液体:純水(接触角:1µL,滑落角:3〜20µL)
固体:撥水材料A,B(スライドガラス基板塗布)
装置:接触角計DM 500+滑落法キットDM-SA
環境:室温25±2℃,相対湿度50%

2.2. 接触角

接触角の測定結果を表1に示す。A,Bいずれも100゜以上の撥水性を示し,平均値ではBの方が若干高めであった。

表1 3回の平均と標準偏差

2.3. 滑落角

滑落角の測定結果を図2に示す。同一液量の付着性を比較するとAの方が明らかにBよりも小さな滑落角,つまり滑落性(液滴除去性)が優れていることがわかる。したがって,今回の撥水材料のケースでは接触角よりも滑落角の方がより直接的な指標であることがわかる。

図2 液量と滑落角(Slidingangle)との関係

3. まとめ

液除去性を目的とした撥水性の評価では,接触角よりも滑落角の方がより直接的な評価指標となる。

4. 備考(測定上の注意点など)

4.1.滑落法で使用する液量

滑落法の液量はJISなどの各種規格では特に規定されていない。滑落角が極端に低い(0゜付近=液量が大きめ)あるいは高い(90°付近=液量が小さめ)液量を避け,予備実験などで適量を決めるしかない。水の例では10〜50µLの範囲で測定するユーザーが多いようである。液量をできるだけ1回で作成するために,針の太さを適宜変更することも必要である。

4.2. 滑落角の判定

滑落角は解析ソフトウェアFAMASが判定するので個人差はない。但し,どの時点を滑落角とするかの条件(移動判定距離)は,予備実験で決める必要がある。

4.3. 滑落速度による評価

滑落法による撥水性の評価方法として,傾斜角(滑落角よりも大きめ),液量を同一にしたときの滑落速度で比較することの重要性が指摘されている。FAMASではこの測定にも対応している。

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